大谷大学同窓会 無盡燈
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無盡燈ギャラリー・畠中光享の世界

No.111(1999/3) 雪月桜花
No.111
 桜の開花頃は寒い日もあり雪が舞うこともある。「雪月花」とは桜のための言葉のように思える。「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」と詠われたように桜の花が咲きだすと、それが気になりだして心が落ち着かなくなる。淡い魅力的な色彩と、咲いては散り急ぐさまが人生を感じ、私達の好みに合うのかもしれない。今の桜は「染井吉野」ばかりが多い。花の数の多い染井吉野が水面をうめ尽くし、流れ、淀む様も美しいが、私は「山桜」や「垂桜」の方が風情があって好ましい。
 京都では、円山公園をはじめ美しい枝ぶりの垂桜を多く目にすることができる。この絵の桜は、二年前に仏光寺で写生したものだ。御堂の前には名木とはいえないが三本の垂桜が現在植えられている。町中の割には境内が閑散としていて静かである。御堂の廊下に座り、三本の桜を何日も写生した。桜を描くには花が咲き始めてからでは花で枝がよく見えなくなるので、花芽がふくらみかけた頃から写生を始める。日陰は寒いが、写生で心が高揚してくるとそれも苦痛ではない。その写生の最後の一日、妻がその場にいてくれた。満開の桜の前で座っている写真が一枚ある。
 今はまだ正視するのは苦痛だが、懐かしいありがたい一日であったことを私は忘れない。 妻は昨秋逝ってしまった。
畠中光享(1970年文学部卒)
日本画家・大谷大学非常勤講師
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