大谷大学同窓会 無盡燈
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無盡燈ギャラリー・畠中光享の世界

No.124(2005/9) 「彼岸の頃」
No.124
 私が学んだもう35年以上も前は、大谷大学の本館(現在の尋源館)は東西に長く、歴史を刻まれた壮重な学舎でした。階段やその手すりは欅材でできていて、机さえもインク瓶を置くへこみまでついた欅の天板で作られていました。古い立派な建物でしたので夏休みなどには「陸軍中野学校」など映画のロケにも使われていました。本館の南側の真中には地道が通っており、その道の広い北側は松林となっていて常緑の草で敷き詰められていました。南の塀までの間は雑草で覆われ2本の花梨やヒマラヤ杉、山桜などの大木、南東には枇杷や芭蕉やグミ、それにポポウの木まであり、キジバトやヒヨドリ、ムクドリ、時には鶯の声も聞こえる市街地にもかかわらずまことに自然豊かな大学のキャンパスでありました。私の時代はもう既に室町通の突き当たりの南の門は閉ざされて久しい時で、大学の正門は今の場所より少し南にあり、門衛の建物もレンガ造りでした。
 そして何よりも印象的なのは、秋の彼岸近くになると本館の松林の緑の中に毎年真っ赤な燃えるような彼岸花が群生して咲いていたことです。京都の町中でこのような光景はどこにも見る事のできない感動でした。私は彼岸花が咲き出すと心が落ち着かず、写生をしていました。松林の地面を少し掘ると昔の学生が使用していた古いインク瓶が出て来たりして、歴史の重さを感じたものでした。時は移り、旧本館は短くなり、新しい建物が次々と建ち整備されましたが、やはり大谷のシンボルは本館であり、あの彼岸花のある風景は鮮烈に目に焼き付いて離れません。新しい建物も卒業生の思い出に残る学舎であり、百年後には文化財の指定となりうるような建物として残って欲しいものです。
畠中光享(1970年文学部卒)
日本画家・大谷大学非常勤講師
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