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同窓通信

No.149(2024年)

漫画、真宗の生活観を出版して
小早川 凡親
(2002年度・文学部真宗学科卒)

 昨年9月に蓬茨祖運原作の漫画「真宗の生活観」を出版しました。

 幼い頃から絵や漫画を描く事が好きで、小学6年の時、手塚治虫の「ブッダ」を読んで、仏教に関心を持ち、いつかこんな漫画を描きたいと思っていました。その後、大谷大学で書道部に入部し、そこでは、古典の臨書を通し、過去の人に思いを馳せる学びをしました。

 今回の漫画の原作者、蓬茨祖運氏を知るきっかけとなったのは、卒業論文を手掛ける際に、大学の図書館で資料を探していると、蓬茨氏の著作が目に留まり、仏教への深い洞察に感銘を受けたことによります。地元へ戻ってからは、変わらず漫画を描くことが好きなため趣味で続けていましたが、何か一つ自分の学びのためにも、また、大学で学んだ真宗学の深さを表現するような漫画を作りたいと以前より思うようになりました。

 そんな中、蓬茨祖運氏の著作集に「良子の宗教」という小説と「真宗の生活観」という1年間の月ごとの風物にそって、真宗の教えに触れていくという、全12話の漫画、真宗の生活観を出版して2002年度・文学部真宗学科卒 小こ 早ばや川かわ凡ぼん親しん随想集があることを知りました。初めは小説風の「良子の宗教」を5年かけて漫画化することに取り組みました。その後、随想集の「真宗の生活観」もドラマチックな話もあり、漫画化したら面白いものになるのではと試みましたが、容易には作れず、何年も中断していました。けれど、私が「ブッダ」を読んで仏教に関心を持ったように、漫画を通して、真宗の教えに関心を抱く人が1人でもいればと、少しずつ制作していきました。「今の時代に仏教を漫画で、どう伝え、表現したら良いだろうか?」と先人、蓬茨祖運氏や親鸞聖人に思いを馳せながら、昨秋、彼岸の頃10年の歳月を経て、この度出版に至りました。今後も、これで筆を置くことなく大学の学びを生かすような漫画を描ければと思っております。

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